【このコラムで解決できること】
- 生理中によもぎ蒸しはできるの?
- 生理のどのタイミングでよもぎ蒸しはできるの?
- 生理前と生理終わりかけでよもぎ蒸しを楽しむコツはあるの?
このコラムを読めばスッキリと解決できます。
なぜならばヒトの体を知り尽くした薬学研究者が執筆したコラムだからです。

薬学研究者 Ryoさん
東京大学薬学部卒。同大学院修了。よもぎ蒸し愛好家。 医学論文を読み込み専門医に伝える仕事をしていました。 正しい情報を分かりやすく発信することを心掛けています。
結論は、生理中のよもぎ蒸しは避けた方が良いですが、生理中でも楽しめる足蒸しというものがあるということです。
コラムの前半では生理中はよもぎ蒸しを避けた方が良い理由、後半では足蒸しの特徴と生理前後でよもぎ蒸しを楽しむコツを紹介します。
よもぎ蒸しと生理の関係を理解して、ぜひよもぎ蒸しを楽しんでくださいね。
生理へのよもぎ蒸しの効果
よもぎ蒸しですが、生理痛などの婦人トラブルの改善を期待されている方もいらっしゃいます。
低体温の女性は、月経不順の割合が高かったり、生理痛が重い傾向にあるということが医学研究から分かってきています。
なので、体温が低めな方は、朝食をしっかりと摂る、運動をする、よもぎ蒸しなどの温活をするなど、生活習慣を整えていきましょう。
生理痛と体温の関係が気になる方はこちらの記事をご覧ください!

生理中のよもぎ蒸しが良くない理由
理由① 出血量が増えるから
温活によって出血量が多くなることを確認した研究は現時点でありませんが、理論的には出血量が増える可能性があります。
なぜならば体を温めることで血管が拡張されて子宮への血液供給も増えるからです。子宮への血液量が増えれば出血量が増えるかもしれないということです。
生理前後はただでさえ出血が多いので、出血がさらに増える状況は避けた方が良いと考えています。
理由② 貧血になりやすいから
出血量が多くなると共に鉄分が失われているために、どうしても貧血になりやすくなります。
鉄分が必要なのは、酸素を運搬する赤血球に含まれるヘモグロビンを作るためです。鉄分がないとヘモグロビンを新たに作ることができず、全身へ酸素を送り届けられなくなるのです。
理由③ 体調を崩しやすくなるから
全身に酸素を届けにくくなると、体調が崩れやすくなります。
なぜならば体は酸素を使うことでエネルギーを作り出して体の各機能を発揮させているからです。
体を動かすエネルギーが足りないと、体がだるくなったり疲れやすくなったりするなどの症状が出てきます。
貧血の症状
主な症状はめまいや動悸、息切れ、顔色が悪い、体がだるい、疲れやすい、動悸がする、めまいがする、息切れがする、といった症状が現れます。溶血性貧血では黄疸(眼球結膜が黄色くなる、皮膚も黄色味を帯びる)の症状が出ます。また、胆石や脾腫を伴うこともあります。
出典:徳洲会 | 貧血の症状
理由④ 体調のことを考えるとリラックスしづらいから
生理中によもぎ蒸しをすると、出血量が増えて、貧血になりやすくなって、そして体調を崩しやすくなる可能性があるということが頭によぎると、リラックスしづらいのではないでしょうか。
よもぎ蒸しはリラックスしながら楽しむのが一番です。できれば生理中のよもぎ蒸しは避けていきましょう。
理由⑤ よもぎ蒸し用具の衛生面
多くのよもぎ蒸しサロンで生理中はNGとされているのは、公衆衛生面の理由からだと考えています。
血液が付着してしまうと、血液感染症のリスクになる可能性があるからです。代表的な血液感染症でいえば、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIV、梅毒などがあります。特に出血時はよもぎ蒸しをするのは控えましょう。
生理のどのタイミングでよもぎ蒸しができるか?
生理中のよもぎ蒸しは避けた方が良いと分かったけれども、生理4日目などの生理の終わりかけはOKなのか、ということが気になる方もいらっしゃると思います。
生理のどのタイミングでよもぎ蒸しができるのかをご紹介しますね。
よもぎ蒸しのタイミング
よもぎ蒸しのタイミングとして、生理前と生理後はもちろん問題ないのですが、生理1-2日目は避けた方がよくて、生理3-4日目はできれば避けた方がよいです。
生理中にもよもぎ蒸しをしたいという方は「足蒸し」という手段があります。足蒸しについてはのちほどご紹介します。

生理の終わりかけはお店ごとで判断が分かれる
生理中のよもぎ蒸しはNGというお店が大部分を占めますが、稀には生理中でもOKのお店もあります。特に生理の終わりかけではよもぎ蒸しをしても良いかの判断が分かれることもあります。
よもぎ蒸しで体調が悪くなることは多くはないのですが、血液の付着は不衛生であることを考えると、健康面に関わることなので、念には念を入れて生理中は控えた方が良いと考えています。
生理中でもできる「足蒸し」
生理中でもできるよもぎ蒸しとして「足蒸し」というものがあります。
よもぎ蒸しと足蒸しの違いとしては、よもぎ蒸しでは全身をマントで覆うのに対して、足蒸しでは膝や太ももまでマントを覆うというものです。
子宮に直接蒸気をあてるわけではないので、子宮周辺の体温は上がり過ぎず生理中の出血量はさほど増えないと考えられます。

生理前でのよもぎ蒸しのコツ
コツ① 足蒸しができるお店を選ぶ
生理前というのは、予約したときは生理ではないけれども、お店の訪問する際に生理になってしまうかもしれないという不安があるかもしれません。
いざというときに足蒸しに変更できるお店を選べば、不安が軽減されると思います。
コツ② PMSなどイライラ感がある方はオススメ
月経前症候群(PMS)とは、月経前に3-10日間続く精神的あるいは身体的症状で、イライラや腹痛など様々な症状が出ます。
PMSと低体温の関係性が報告されており、低体温の女性ほどPMSを発症しやすいという研究結果もあります。
体温が低い方は、温活をするなど生活習慣を変えてみてはいかがでしょうか。

コツ③ ヘム鉄はPMSにも効果が示唆されている
生理中は鉄分が失われるので、しっかりと摂取されている方も多いと思います。
実は鉄分摂取はPMSの症状の軽減にも役立つ可能性が示唆されています。
3025名もの女性の体調を10年間追った研究では、鉄分を10mg/日を摂取していた人よりも、鉄分を20mg以上/日
を摂取していた方がPMSの発症割合が低かったという結果が出ています。
鉄分は「ヘム鉄」「非ヘム鉄」の2つに分類されますが、「ヘム鉄」は吸収率が良いと言われているので、鉄分摂取の際には「ヘム鉄」がオススメです。
生理の終わりかけでのよもぎ蒸しのコツ
コツ① 生理がまた来たように感じても問題ない
基本的にお店では生理中のよもぎ蒸しができないので、自宅でよもぎ蒸しをする際の話になります。
繰り返しになりますが、出血中のよもぎ蒸しは不衛生なので控えた方が良いです。
それでもよもぎ蒸しをするという場合には、タイミングが生理の終わりかけならば、生理がまた来たように感じることがあります。
実は、粘膜に蒸気があたると粘液が出るという体の特徴があるので、子宮内の残りの経血が粘液と共に排出されています。温かい食べ物の湯気が鼻にあたると粘液が出るのと同じように、自然な反応ですのでご安心ください。
コツ② よもぎ蒸しよりも足蒸し
生理が終わったわけではないので、よもぎ蒸しよりも足蒸しの方が良いと思います。
足蒸しでも下半身を中心にしっかりと温まるのでオススメですよ。
生理中のよもぎ蒸しのまとめ
今回はよもぎ蒸しと生理の関係についてご紹介しました。生理中のよもぎ蒸しは体調を崩す可能性がある上に不衛生なので避けた方が良いですが、生理中でも楽しめる足蒸しというものがあるので、ぜひ足蒸しも試してみてください。